無駄な夏期講習は受講するな!!
1学期末試験も終わって、結果も戻ってきてると思います。今子どもたちは、学校の「訂正ノート」に追われてるのではないでしょうか?そして、今回の試験で出た結果を踏まえて、今後どうしていこうかなぁと今一度考える時期でもあります。また、新しい環境に慣れるまで塾を控えていた方や、長年通っているけど全然成績が伸びない方などはこの夏休みの過ごし方で大きく変化しますので、いい機会になるのかなと思います。
そして、このタイミングでよく出てくるワードが【夏期講習】ですよね。
ただ、みなさんこの【夏期講習】に関していろいろ間違えてるんじゃないかなぁと言うことがあるので、ここで少しお伝えしておこうと思います。
ここでは、注意してもらいたい順に記載しておきます。
(※あくまで私個人の意見ですので、絶対ではありませんし、他の考え方もあっていいと思います。)
1.無駄に多くの教科を受講する
これは、無駄な夏期講習の最たる例ですね。「夏休み後に他塾から転塾してこられる方」や、「長年塾に通っているけど成績が上がらないとご相談にこられる方」、「講習の目的意識がなく塾に言われるがままに講習を受講している方」にとても多いです。
私の個人的印象では、大手の個別指導塾で受講されている夏期講習に多いですね。一つの事例を挙げておきます。
昨年秋に大手個別指導塾から転塾してきたA君の夏期講習プログラムは、【週4日で、数英国理を週1回受講】と言う恐ろしい内容でした。聞こえはすごく良いんですけどね・・・『4教科も夏期講習受ける』って!
でも実際よく考えてくださいね!各教科週1回ってことは、夏休み全体で1教科の学習時間が多くても5~6回ですよ。たったこれだけの回数で1年間、もしくは2年間の内容の復習が出来ると思いますか?さらに、苦手な単元を復習するとするならば、なおさらこの時間数で全て復習できると思いますか?私は笑うことしかできません。(笑)もしそれが可能なら、高校受験の勉強は、中3の夏休み明けからしても十分に間に合いますよ(笑)
つまり、あれもこれもと手を出しても、何の結果も得られないという言ことです。たかが1ヶ月強の休みですよ。今まで学習した1・2年間の内容が全て復習できると思っていること自体おかしいのです。出来ない内容があって当然である!だからこと、「何をするのか」と言う目的が重要になります。
たかが1ヶ月強の夏休みです。出来ることを絞って学習し、出来ないことはいつまでにどのように対策するかを考えることが大切なんです。くれぐれも、「全教科~」なんて聞こえの良さに惑わされて、無駄な夏期講習にならないようにしてくださいね。
2.夏期講習を受講したこと(受講させたこと)に満足
これは保護者の方に多い事例です。うちに転塾してきた方も、「夏期講習は受けてたんですけどね。全然成績が上がらないんです。」とよく言われます。ただ、「どういった内容を受講されたのですか?」と聞くと、「よくわかりません。」や「塾の先生に言われたまま」等、結果的に何のために受講したのか、どうなりたいから受講したのかが全く明確になっていないことがほとんどです。
「とりあえず夏期講習を受講した」は、お金をドブに捨てるようなものです。
「外食に行って、食べたいものではないが店員さんが出してきたらかとりあえず出したので食べた」なんてことありますか?さらにそれに対してお金を払うなんてこと。自分が〇〇を食べたいから注文して、それに対してお金を払って満足しますよね!
夏期講習だって同じだと思いませんか?あなたがどうなりたいのか、何が出来るようになりたいのかを持たなくては意味ないんです。そのなりたい自分になるために何を・いつまでに・どのようにすればいいかを考え指導するのが塾の役割です。塾の言いなりになっちゃダメなんです。あくまで、勉強を進める主人公はあなたであって、あなたの意思があって初めて周りのサポートがスタートするんですよ。
3.費用や回数だけで決める
これに関しては、やむを得ない状況もあるかもしれませんね。また、単純にお金をかければ、授業をたくさん受講すればいいってことでもないでしょう。
ただ私が言いたいのは、楽観的に「こんなにたくさんしたくないなぁ」とか「もっと費用抑えて減らしてください」など、そこだけに着目しないで欲しいと言うことです。
なりたい自分の目標値が高ければ高いほど、当然やるべきことは増えます。一般的に中1生よりも中3受験生の方が講習受講回数が多くなることが証明しています。
〇〇高校に行きたい!
↓
じゃぁ、この夏にはここまでは出来る状態を作っていないと間に合わない!
↓
その為にはこれだけの授業が必要だ!
となれば、出来る限り受講することをお勧めします。
ただしどうしても出来ないこともあると思いますから、その時は再度学習内容を検討して計画を作ればいいと思います。
4.夏期講習だけで学習が完結する学習計画
これは結構落とし穴的な部分ですね。とくに受験生にとっては。
小学校、とくに中学校の学習は今まで習ったことが全て繋がってきます。つまり夏期講習だけで学習が終わることはないのです。当然学校も2学期3学期と続きますしね。
よくある勘違いが、「夏休みに中1と中2の復習をした」と得意げに話す子どもたちです。復習ができたと自信を持つことはとても大事ですが、そこで終わりじゃないんです。その復習を活かすのは7ヶ月後の受験当日です。では、夏休みだけの復習で7ヶ月間記憶が残っているでしょうか?(笑)当然むりですよね。
つまり重要なのは、夏期講習で復習や苦手科目の学習をしたならば、それを今後どのように忘れないようにしていくかまで考えておく必要があるのです。
「夏期講習はよく頑張ってました」と言う言葉だけで安心しないようにしてくださいね。ここで完結する勉強なんて、どの学年でもありませんから。
いろいろとお伝えしましたが、本質としては意味のある夏期講習を是非受講していただきたいという思いです。
せっかくお金を出すのであれば、本当に身になるものをするべきです。
自己満足の世界で終わることの無いよう、多くの方が「受講してよかったぁ」と思える夏期講習に出会えるといいなと思ってます。